電子機器へのテキストの入力という形で表現される言葉。
文化庁は2018年3月、「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」と題する資料において、電子メールやSNSでのコミュニケーションに用いられる特殊な表現を、話し言葉とも書き言葉とも異なる「話し言葉の要素を多く含む新しい書き言葉」として区分し、これを「打ち言葉」と呼んでいる。
打ち言葉は視覚的媒体で表現されるという点においては「書き言葉」に区分し得るが、文体はくだけた「話し言葉」に近い。さらに打ち言葉では絵文字などの記号が多用される等、書き言葉において欠落しがちな(話者の感情などの)言語外の情報を補うための特殊な方法が発達している。
また、「おk」「う p」のような俗な(ローマ字入力の誤変換を起源とするネット俗語的な)表記も、打ち言葉独特の表現として特筆される。
文化庁の報告書では「打ち言葉」を「新しいコミュニケーションの形」として認めつつ、使われ方の世代差などもあって誰にでも通じるとは限らないことや、従来の書き言葉とは書式・書き方が異なる部分もある、といった点への意識は必要との旨を指摘している。
関連サイト:
「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」について ― 文化庁 報道発表 2018年3月2日(PDFファイル)