2019年1月22日火曜日

デイリーハッスル

別名:デイリーハッスルズ
英語:Daily hassle
英語:Daily hassles

日常生活の中でちょくちょく経験する、些細なストレス要因(ストレッサー)のこと。たとえば家族の言動に少しイラッとするような、慢性的な煩わしい出来事。

デイリーハッスルはストレス心理学におけるストレッサーの区分モデルのひとつである。提唱者としてラザルス(Richard S. Lazarus)やコーエン(Judith B.Cohen)の名が挙げられる。一般的には cataclysmic events(世間的な大事件)、life events(個人の一大イベント)、そして daily hassles(デイリーハッスル)といった区分において対比的に言及される。

「世間的な大事件」は世の中が震撼するような大きな出来事を指す。典型的には大地震などの天災あるいは戦争などが挙げられる。

「個人の一大イベント」は、進学、就職、結婚、離婚、あるいは家族の死といった、個々人にとって大きな転機となる出来事を指す。

そしてデイリーハッスルは特別大きなイベントではなく、日常生活の中で遭遇する、ちょっとしたストレスを感じる細々とした出来事である。個々の出来事から得るストレスは大したことはないが、慢性化・常態化しやすく、知らず知らずのうちに鬱積して不調の原因となりかねない。その意味でデイリーハッスルは現代社会のストレス管理の対象として注目される。

なおデイリーハッスルの「ハッスル」は hustle(奮発)ではなく hassle(煩わしさ)のことである。

関連サイト:
「大学生のデイリーハッスルとタイプ A行動パターンおよびアレキシサイミアの関連」(佐瀬 竜一・児玉 健司・佐々木雄二、「駒澤大学心理学論集第7号」、2005) ― 駒澤大学(PDFファイル)