2019年7月5日金曜日

大気質指数

大気質指数とは、主に米国などで導入されている、大気汚染の状況・度合いを測る指標のことである。

【大気質指数の語源】
大気質指数は、英語ではAir Quality Index、略して「AQI」という。「大気質指数」はAQIの訳語と捉えられる。「大気質指数」の他に「空気質指数」とも訳される。

【大気質指数の説明】
大気質指数は、大気中に含まれている(大気汚染の要因となる)微粒子の量とその危険度を指数として示す。観測対象の微粒子は、主に排気ガスなどに由来し、ヒトの肺や気管に害をもたらす可能性の高い、「PM2.5」と呼ばれる微粒子である。

大気質指数では、大気汚染の程度は「0」~「500」の指数と、6段階の「危険度レベル」によって湿される。指数100を超えると大気汚染の状態に該当し、以降段階的に有害度危険度の程度が増す。

・0~50:Good(良好)
・51~100:Moderate(穏やか)
・101~150:Unhealthy for Sensitive Groups(敏感な人にとっては健康に有害)
・151~200:Unhealthy(有害)
・201~300:Very Unhealthy(かなり有害)
・300~500:Hazardous(危機的)

【大気質指数の種類】
アメリカ以外にも、同国の大気質指数のような大気汚染の程度を示す指標を導入している国は多々ある。ただしその指標は必ずしも細部までアメリカの大気質指数と同じというわけではなく、国によって基準が(名称も)微妙に異なる。

・カナダ:AQHI(Air Quality Health Index)
・イギリス:DQHI(Daily Air Quality Index)
・EU:CAQI(Common Air Quality Index)

中国では2011まで「大気汚染指数」と呼ばれる独自の指標を採用しており、2012年からは「大気質指数」(AQI)を導入している。中国のAQIはPM2.5の他にPM10(直径の比較的大きな微粒子)なども計測している。

2010年代前半から半ばにかけて、中国の北京をはじめとする大都市圏で大気汚染が進行・深刻化していることが世界的な注目を集めた。北京にある在中米国大使館では、敷地内における計測結果を(米国基準の)大気質指数の形で公表しており、これが特に注目された。同問題が特に大きく取り沙汰された2013年1月、新華社通信などが報じたところでは、同月に観測された北京市内の大気質指数は一時500を超え、一時755を記録した日もあったという。

その後、中国当局も大気汚染問題への対応を強化しており、2019年6月現在では大気汚染指数は往事と比べてかなり低い数値に止まっている。

Air Quality Monitor ― U.S. Embassy & Consulates in China
https://china.usembassy-china.org.cn/embassy-consulates/beijing/air-quality-monitor/