「アジェンダ」とは、会議で取り上げる「議題・課題・協議事項・検討事項」のことや「行動計画・日程・日程表」のことを意味する表現である。ビジネスシーンでは「議題」の意味で、行政の分野では「行動計画」の意味で用いられることが多い。
わかりやすくいうと、「アジェンダ」は、「このような内容や段取りで進めていきます」と示し合わせるために用意される資料のことである。これが、会議においては議題のリストを指すことになり、政策においては計画のリストを指すことになる。
「アジェンダ」はビジネスジャーゴン(業界用語)の趣が強く、日常会話などの場面ではあまり用いられない。日常会話では「予定」「計画」「課題」などの表現を用いれば事足りる。
「アジェンダ」の語源
「アジェンダ」は英語の agenda に直接由来する言葉である、英語の agenda は元々は「agendum の複数形」であるが、最近は agenda が単数形として扱われ、複数形が agendas と表現されるようになっている。英語の agenda(agendum)の語源は、ラテン語の agendum である。これは「なすべきこと」という意味合いの語である。
「アジェンダ」と「議事録」の違い
会議の場で用意される書類や資料を指す語としては「アジェンダ」の他に「議事録」がある。アジェンダと議事録は「事前に用意するもの」と「事後にまとめたもの」という点で対照的である。
アジェンダは、会議の進行内容などを示し合わせるために事前に用意される資料である。議事録は、会議の場で実際に話し合われた内容を取りまとめた記録である。
アジェンダとレジュメとの違い
「レジュメ」も「アジェンダ」と同様、「あらかじめ要点を取りまとめた資料」を指す言葉である。「レジュメ」は特に「論文の内容をまとめたもの(摘要)」の意味で用いられることが多い。つまり基本的にはアカデミックな分野で用いられる言葉である。
ビジネスシーンでも「レジュメ」の語が用いられることはある。この場合のレジュメは、おおよそ「プレゼンテーションの内容についてまとめた資料」を指す。
「レジュメ」は「発表内容をまとめた資料」であり、「一方向的な発信に先立つ資料である」という特徴がある。この点「アジェンダ」は、「協議・検討などの双方向的なやりとりに先立つ資料である」といえる。
アジェンダの書き方、コツ
アジェンダの書き方のコツは、できるだけ話し合う予定の内容を明確にすることと、話し合う議題が複数ある場合には話し合う順序を決めておくことである。特に、話し合いの順序や内容が逸れてしまうことで、スムーズな会議の進行が困難になってしまうからである。できるだけ明確なアジェンダを作成するには、目次のようにただ行うことだけを書かないようにすることがコツである。例えば、会議自体や会議の議題の目的を明確にしておくことで、話が脱線しそうになった場合にもアジェンダを振り返ることでもとの話し合いの路線に戻ることができる。この工夫によって、会議時間の短縮がされるので、長時間の会議を避けることにつながる。ビジネスでは、会議をする内容が次回の会議につながっている場合も少なくないことから、次回に話し合うべき内容についてもアジェンダの後半に盛り込むと次回の会議にスムーズにつなげることができる。場所や日程などの基本的な事柄をアジェンダに記載しておくことが重要である。実際に会議をする際に時間配分に気をつけたり、会議時間を頭に入れておくことで、会議が始まるまでの気持ちの切り替えを万全に整えることにもつながることから、基本事項は漏れなく記載しておくことが必要である。万が一間違っていた場合には、会議自体の信用問題に関わることになるので、誤字脱字を含めた単純な誤りはできるだけ避けるようにし、アジェンダ作成者もすぐに誤りに対応ができるようにどこに何を書いたかわかりやすいレイアウトが望ましい。
アジェンダのテンプレート
ビジネスで使用するテンプレート例は以下の通りである。議事録を作成する場合にも、役立たせることができる。テンプレートにはアジェンダとして記載していくべき項目を載せており、その横に円括弧で補足事項を付している。議題(何の会議をするかを記載する)
日時や場所(日時や場所についてはできるだけ紙面の上部に記載をすることが望ましい)
参加者(参加者が予めわかっている場合には、参加者の氏名や人数などを記入しておく)
会議進行役(会議の議長などが決まっている場合は、できるだけ記載)
議題(議題を複数設けている場合には、進行度順に記載していくことが重要)
議題1 00:00〜00:00(話し合いの時間の目安を決めておくことで時間配分に注意しつつ効率的な会議の進行を目指す)
議題2 上に同じ
議題3 上に同じ
次回の開催予定(会議が次回も続く場合には次回の会議の基本情報を記載しておく)
次回の会議がある場合には、基本情報だけ告知しておき、内容に関しては次回の会議が近づいてきた際に新たにアジェンダを作成することで、会議内容が前回の会議と混同しなくなる。余裕がある場合には、メモ欄などをアジェンダの空いている箇所に設けておくことが重要である。議事録を作成することになった担当者にとっては便利なスペースになるだけではなく、会議時に思いついたことをメモするためのスペースとしても活用することができる。