「近う寄れ」は「もう少し近くへ来い」と指示する言い回し。「近寄れ」「近くに寄れ」という意味。封建社会において、主君が家臣・臣下(家来)または身分の低い者に対して用いる言い方。「近う(ちこう)」は「近く」の変化した言い方である。
往時は主君に対して身分の低い者がおいそれと接近することは許されなかった。相見えるときにも、距離を置き、多くの場合は一段低い位置で、平身低頭するのが常であった。そうした状況で敢えて「構わないから近くに来い」と命じる言い方が「苦しゅうない、近う寄れ」である。
往時は主君に対して身分の低い者がおいそれと接近することは許されなかった。相見えるときにも、距離を置き、多くの場合は一段低い位置で、平身低頭するのが常であった。そうした状況で敢えて「構わないから近くに来い」と命じる言い方が「苦しゅうない、近う寄れ」である。