2011年6月1日水曜日

プルサーマル計画

読み方:プルサーマルけいかく

原子力発電において、ウランとプルトニウムから成る「MOX燃料」を使用して発電を行う「プルサーマル」方式の実用化を目指す計画。プルトニウムをサーマルリアクタ(軽水炉)で使用することから、プルサーマルと略される。

発電に使用された核燃料にはプルトニウムと呼ばれる人工放射性元素とウランが含まれる。これらを再処理によって取り出し、混合させ、代替燃料として軽水炉で使用することが可能となる。従来の軽水炉で運用することが可能であるため、高速増殖炉が実用化されるまでの過渡的方式として期待されている。

プルサーマル計画使用済み核燃料を再利用することになるため、高レベル放射性廃棄物の排出量を削減することができるというメリットもある。その反面、MOX燃料は制御棒の制御能力が悪くなり、安全に停止させる難易度が向上する。また、ウランから新規に核燃料を製造するほうが経済的効率が高い。

日本では「もんじゅ」のトラブルにより高速増殖炉の開発計画が長期的に頓挫しかけたことから、その間の空白を埋める代替手法としてプルサーマル計画が進められた。2009年に九州電力がMOX燃料の使用を開始、2011年5月時点で四国電力、東京電力など複数の発電事業者がプルサーマル発電を進めている。