2011年7月8日金曜日

循環注水冷却

読み方:じゅんかんちゅうすいれいきゃく
別名:循環注水
別名:原子炉循環注水

東京電力福島第一原子力発電所において2011年6月6日現在進められている、核燃料の冷却手段のうち、原子炉建屋などに漏れ出してたまった低レベル放射能汚染水を除染装置によって浄化し、継続的に冷却に利用するという構想。

2011年4月から5月にかけて、破損した原子炉を冷却するために、東京消防庁のスーパーポンパーやコンクリートポンプ車などを使用した外部からの放水・注水が行われた。放水を行わなければ炉内の温度が高まって再臨界に至る危険性があるが、かといって放水を行うと今度は放射性物質に汚染された水が炉内から漏れ出て建屋やトレンチに溜まってしまう、といったジレンマに陥っていた。循環注水冷却が実現することで汚染水をこれ以上増やすことなく継続的な冷却を行うことが期待される。

循環注水冷却には、米国のキュリオン(Kurion)、およびフランスのアレバ(AREVA)の協力による除染装置が組み込まれている。装置を通じて放射性セシウム、放射性ヨウ素、油分や塩分などを除去し、ほぼ無害な淡水に浄化して再利用する。循環に用いられている配管系の総延長は4キロメートルに及ぶという。

循環注水冷却は6月27日に稼動が開始され、その直後から幾度となくトラブルが発生し、期待されると共に不安視されてもいた。7月8日の時点で、目だったトラブルがなく1週間稼動し続けることができ、「初期トラブル脱した」との宣言が発せられた。