2012年2月24日金曜日

被災遺構

読み方:ひさいいこう

災害に被災した事実や災害の規模・脅威などを後世に伝えるために保存された、災害の痕跡を残す構造物。防災のモニュメント。

例えば、神戸港には1995年に発生した阪神淡路大震災を記念する「神戸港震災メモリアルパーク」が建設され、崩壊した岸壁などがそのまま被災遺構として保存されている。市街地にも小規模に保存されている被災遺構がある。

また、自然災害によるものではないが、原爆ドームも同種の遺構であるといえる。

被災遺構は、被害の大きさや悲惨さのシンボルとして積極的に保存していこうとする動きがある一方、被災した当人達にとっては過去の辛い記憶を呼び起こす存在であり、撤去が求められるなど、その存在は是非が分かれることが多い。

2011年3月に発生した東日本大震災では、津波に流されて屋根の上に乗った自動車などは危険であるとの理由で撤去が進められた。「奇跡の一本松」は、震災復興への希望の象徴として、保存方法が模索されている。大津波により凹んで横倒しになった、高さ11メートルの巨大缶詰型看板は、木の屋石巻水産の敷地で保存されることになった。