2013年9月16日月曜日

固体燃料ロケット

読み方:こたいねんりょうロケット

燃料に液体ではなく固体を用いるロケットの総称。

固体燃料ロケットは、燃料を搭載したロケット本体内で燃料を燃焼させる特質を持つ。そのため、液体燃料を別室の燃焼室に移送させて制御する液体燃料ロケットに比べて、構造が簡素であり、安価に製造できるという利点がある。他方、点火後の燃焼制御が難しく、火力を調整したり、中断したりすることが難しい。

固体燃料ロケットの燃料の基材(ベース)としては、ニトロセルロースやニトログリセリンを主とするもの、あるいは、ポリウレタンやポリブタジエンといった合成物質を主とするものなどがある。

日本はロケット開発の分野において、1990年代後半から2000年代半ばまで、固体燃料ロケット「M-V」(ミューファイブ)の開発・運用を行っていた。M-Vは2006年に運用を終了し、その後は液体燃料ロケット「H-IIA」が主に運用されてきた。2010年前後より新型の固体燃料ロケットの本格的開発が始められ、「イプシロンロケット」としなった。イプシロンロケットは2013年9月に惑星分光観測衛星SPRINT-Aを搭載して打ち上げが行われ、予定通りSPRINT-Aを軌道に投入することに成功した。