2013年9月16日月曜日

イプシロンロケット

別名:イプシロン

JAXA(宇宙航空研究開発機構)が中心となり開発された国産の固体燃料ロケット。2010年頃から本格的な開発が進められ、2013年9月に初の打ち上げを実施、成功させた。

イプシロンロケットは、既存の国産ロケットに対して、より安価に、より手軽に打ち上げられるロケットとして開発された。2000年代半ばに運用を終了した固体燃料ロケット「M-V」(ミューファイブ)や、現役の大型液体燃料ロケット「H-IIA」などから技術や構成要素を積極的に流用し、開発・生産のコスト低減を図っている。例えばロケットの一段目はH-IIAのブースターが転用された格好となっている。

また、イプシロンロケットでは「モバイル管制」と呼ばれる自律点検システムが初めて導入されている。これは、ロケットが発射台に据え付けられた後の、打ち上げ直前の最終点検作業をコンピュータに行わせるもので、従来の人海戦術的な点検作業に比べて人員も期間も大幅に削減できる。しかも普通のノートPCで点検作業が可能であるという。

イプシロンロケットの初の打ち上げは2013年8月22日に予定された。8月前半に配線上のミスが見つかったため打ち上げ予定日は27日に延期されたが、当日の打ち上げカウントダウン中にモバイル管制システムが異常を検知して打ち上げは自動停止した。停止原因の調査を経て9月14日に再び打ち上げを実施し、予定通りの軌道に科学衛星「SPRINT-A」を投入することに成功した。

関連サイト:
イプシロンロケット - JAXA宇宙航空研究開発機構