2013年11月29日金曜日

アイソン彗星

読み方:アイソンすいせい
別名:ISON彗星

2012年半ばに発見された彗星。2013年11月頃に太陽に最接近すると予測され注目を集めた。

アイソン彗星は直径約3キロ程度と、彗星としては比較的大きく、太陽に最接近する(近日点通過)位置が極めて太陽に近いという特徴を持つ。水星の近日点距離は約0.31天文単位であるが、予測されているアイソン彗星の近日点距離は約0.012天文単位ほどである。このため、近日点通過時には地球上からも肉眼で確認できるほど明るくなるものと予測された。

アイソン彗星のように太陽にきわめて近い距離を通過する彗星を「サングレーザー」(sungrazer)という。これは太陽をかすめて通過するものを意味する。アイソン彗星は史上まれに見る大彗星として観測される可能性が高いと期待された。

2013年10月には国立天文台が、すばる望遠鏡でアイソン彗星の撮影に成功したと発表した。この時点では地球から2億キロメートル以上離れている。

アイソン彗星を含むサングレーザーは、太陽への接近・通過・離脱の途中で分解消滅することがある。アイソン彗星も、11月25日までにアメリカ航空宇宙局(NASA)によって「蒸発した」との見解が公表されている。

なお、2013年3月には「パンスターズ彗星」と呼ばれる彗星が太陽に最接近した。パンスターズ彗星もかなりの明るさに達する可能性があると期待されていたが、実際には理想的な状況にはならず、かろうじて肉眼で確認できる程度にとどまった。