2013年7月2日火曜日

調査捕鯨

読み方:ちょうさほげい

鯨の生息数や生態などについて、科学的な調査を行うために鯨を捕獲すること。鯨肉の販売をはじめとする商業目的の捕鯨とは異なるものだとされる。2013年現在、日本やアイスランドなどが行っている。

日本は1987年に調査捕鯨を開始した。当初は南極海に生息するミンククジラのみが調査捕鯨の対象だったが、後にマッコウクジラなども対象になった。1988年には、国際捕鯨取締条約が締結されたことで、日本は商業捕鯨を中止しているが、科学的な調査のための調査捕鯨は認められていると主張している。

日本は国際捕鯨委員会(IWC)の管理下で、鯨の科学的データを収集して、その情報をIWCの各種委員会に提出する目的で、調査捕鯨を行っている。具体的には、鯨の耳垢栓や卵巣などを採取する。また、調査に使用した後の鯨の肉などを、副産物として市場で流通させていることが多い。

反捕鯨の立場をとる国や団体などから、日本の調査捕鯨は批判を受けている。主に調査捕鯨によるデータの信頼性や、鯨の肉などを副産物として流通させることに疑問の声が多い。また、調査のために鯨を殺す致死的調査は不要であるという考えもある。

特にオーストラリアは、日本の調査捕鯨は実質的には商業捕鯨であるという見解を示している。2013年6月、オーストラリアは日本の調査捕鯨が国際法に違反するとして、国際司法裁判所に提訴した。

関連サイト:
捕鯨問題 - 日本捕鯨協会
捕鯨に関するQ&A - 外務省