2013年12月6日金曜日

虎網漁船

読み方:とらあみぎょせん

「虎網」と呼ばれる特殊な形状の大型の漁網を用いて漁を行う漁船の俗称。特に、東シナ海で虎網を使ってサバやアジなどを漁獲している中国籍の漁船を指す。

虎網漁船は、高出力の集魚灯を用いて魚を一箇所に集め、巨大な網で魚群を包囲して一気に捕獲するという形で行われる。大量の魚を、短時間で、少人数で捕獲できる、という点でたいへん効率的な漁法といえるが、網目が細かく稚魚も網にかかる、また網にかかった稚魚も逃さず漁獲してしまうなどの行為が目立ち、生態系への打撃が懸念されている。実際に虎網漁船の操業が確認されている海域では、虎網漁船の出没が確認された時期あたりから対象魚種の漁獲量が急速に減少しつつあるという。

なお、虎網漁船が使用する高出力の集魚灯も、日本では使用が規制されているほどのものである。

中国の虎網漁船は、日本の排他的経済水域(EEZ)に侵入して操業していることもあり、しばしば問題を引き起こしている。水産庁は、2012年には約280隻のが虎網漁船が確認されたと発表している。水産庁は東シナ海に毎日漁業取締船を出動させ、虎網漁船の監視を行っている。

関連サイト:
中国虎網漁船の拿捕について - 水産庁 2013年2月22日