2014年1月9日木曜日

音波浮揚

読み方:おんぱふよう
別名:超音波浮揚
英語:acoustic levitation
英語:ultrasonic levitation

複数のスピーカーから特定の周波数の音波を出し、音波を重ね合わせて定常波(定在波)を作り出すことにより、音響放射圧によって物体を浮遊させる技術。

音波浮揚の利点としては、気流や電磁力などを利用した他の浮揚技術と異なり、浮揚する物体の材質に制限が少ないことや、低コストで運用することができることなどが挙げられている。しかし、2014年1月現在の技術では、浮揚させることができる物体は、重さ数ミリグラム程度の微小な物体に限られているとされる。

音波浮揚の技術は、半導体などの製造における物体の非接触搬送への応用が研究されており、他には高純度の医薬品の分析、微小重力状態のシミュレーション実験などにも応用が見込まれている。将来的には、スケートボードや飛行機など、人が乗れる大きさの物体を浮かせることが可能になるかもしれないともいわれている。

2014年1月に、東京大学などの研究グループが、音波浮揚させた物体を3次元的に移動させる技術を開発した。この技術は、4枚のパネル状のスピーカーが向かい合わせに配置され、スピーカーから発せられた音波の焦点を移動させることにより、浮揚した物体を自在に移動できる仕組みになっている。