2014年2月6日木曜日

昆虫サイボーグ

読み方:こんちゅうサイボーグ
別名:サイボーグ昆虫

機械を装着させたり、埋め込んだりすることによって、無線などを介した制御が可能になった昆虫のこと。昆虫のラジコンと形容されることもあり、ラジコンさながらに、リモコンによる自在な操作が可能な例もある。

昆虫サイボーグに取り付けられる機械は一般的に、電気信号によって昆虫の神経や筋肉に作用し、飛翔や歩行の方向を制御する仕組みをとっている。ロボット工学において、昆虫を生体模倣(バイオミミクリー)の対象とした研究は数多いが、昆虫サイボーグはロボットを一から作るのではなく、生きた昆虫の行動を制御するメカニズムの開発だけで実現できることから、より実用化に近いという見方もある。

昆虫サイボーグは、災害現場など、人が立ち入ることのできない危険な場所での監視や生存者捜索などを行うことが期待されている。また、偵察など、軍事目的での応用も見込まれており、米軍など世界各国の軍で研究開発が進められているといわれている。

昆虫サイボーグの開発にあたっては、昆虫に取り付ける機械の小型化、精密化のほか、動力源の確保も課題とされてきた。大阪大学と東京農工大学の研究グループは、この問題の解決策になりうる技術として、昆虫の体内に電極を挿し込み、血リンパ中の糖分の酸化還元反応で発電を行う「imBFC」という技術を開発した。また、ミシガン工科大学は、虫が羽ばたく力を電気エネルギーに変換する装置を発表している。

なお、昆虫サイボーグに対しては、生物を「改造」して自在に操るという行為が倫理に反しているなどの批判がなされることもある。