2014年3月20日木曜日

中高年引きこもり

読み方:ちゅうこうねんひきこもり
別名:中高年ひきこもり
別名:中高年ヒキコモリ
別名:中高年の引きこもり
別名:中高年のひきこもり
別名:中高年のヒキコモリ

自宅や自室に長期間こもりきりになり、社会から隔絶された生活を送る中高年のこと。「中高年引きこもり」の明確な定義はないが、2010年に厚生労働省は引きこもりを「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」と定義しており、その状態に該当する中高年、すなわち40歳から65歳程度の年齢の人と捉えることができる。

NPO法人全国引きこもりKHJ親の会が行っている調査では、引きこもりの平均年齢は年々増加しており、2007年の調査で初めて平均年齢が30歳を超えたとされた。また、2014年3月に公表された島根県の「ひきこもり等に関する実態調査報告書」では、県内の引きこもりの年齢層として、40歳代が最多となり、過半数の53パーセントに達した。

従来、引きこもりは若年世代の問題として捉えられてきた面があったことから、古い調査では中高年引きこもりの存在が見過ごされてきたとする指摘もある。秋田県藤里町の社会福祉協議会は、2012年に全国で初めて、中高年引きこもりに焦点を当てた調査を実施し、町民の引きこもりの半数近くにあたる61人が中高年引きこもりだったと発表した。中高年引きこもりの中には、親の死亡や老衰により生活を続けることすら困難で、孤独死寸前の状態にあった人もいたとされる。

中高年が引きこもりの状態に陥る原因としては、若い頃からの引きこもりの継続のほか、中高年になってからの失業がきっかけになることも多いとされている。中高年引きこもりは、若年世代の引きこもりに比べて、年齢的な問題でさらに社会復帰が難しいため、より事態が深刻とされている。引きこもりの状態を長期化させないために、親や支援機関の連携によるサポートや、就労意欲を高めるための環境づくりなどが必要とされるが、親子関係の修復が大前提とする意見もある。

関連サイト:
「引きこもり」の実態に関する調査報告書⑦ -NPO法人全国引きこもりKHJ親の会における実態- - 全国引きこもりKHJ親の会