2014年3月7日金曜日

受援力

読み方:じゅえんりょく

ボランティアの援助を受け入れる能力のこと。特に、災害の被災地における、住民個人のレベルから行政レベルまでの、災害ボランティアの受け入れ能力を指すことが多い。

内閣府は、災害が起こった際に、ボランティアやボランティア活動に対する地域住民の理解が不十分であると、ボランティアの力が有効に活用されない場合があることを指摘している。また、被災地に国内外から大勢の人員が駆けつけたり、大量の救援物質が送られたりした場合、十分な対応ができずに混乱が生じ、「第二の災害」と称されるような事態に陥る例もある。そこで、受け入れ側の被災地に対しても、ボランティアへの理解や、ボランティア活動をコーディネートする能力、すなわち受援力が求められるようになった。コーディネートの業務には、例えばボランティアの名簿管理、機材の分配、保険への加入などがある。

地域の受援力を高めるためには、平時からボランティアやボランティア活動に対する理解を深めることが重要だとされている。地域によっては、防災訓練において災害ボランティアセンターを設置し、ボランティアの受け入れを想定した内容の訓練を行う取り組みもある。

また、地域住民レベルの受援力だけでなく、行政の受援力向上も課題とされており、平時から災害時の業務を想定し、応援人員の配置計画や復興計画の事前策定などを行うことが求められている。阪神・淡路大震災を経験した兵庫県神戸市は、2013年に全国の自治体に先駆けて「災害受援計画」を作成し、災害時の受援の総合窓口として「応援受入本部」を設置する方針を発表した。

関連サイト:
防災ボランティア活動の多様な支援活動を受け入れる地域の「受援力」を高めるために(PDF) - 内閣府