2014年3月7日金曜日

老老格差

読み方:ろうろうかくさ
別名:老々格差
別名:高齢者の世代内格差
別名:高齢者間の世代内格差

高齢者の間で見られる貧富(所得)の世代内格差のこと。内閣府の「平成24年版 高齢社会白書」によると、老老格差は他の年齢層における世代内格差よりも大きく、拡大傾向にあるとされる。

「世代間格差」といった場合、高齢層に対して若年層の負担がより大きいことを指すことが一般的だが、相対的に負担が小さいとされる高齢層の内部格差が、むしろより深刻な社会問題とされることがある。その理由の一つが、老老格差の拡大により、生活保護受給者の増加や、若年層による介護負担の増加が起こり、若年層の格差拡大に繋がると懸念されることである。2014年3月10日号の「AERA」では、この状況が「老老格差の遺伝」と表現されている。

老老格差は、主に受給する年金の差によって生じるとされる。年金の受給額格差は、厚生年金の加入状況や、現役時代の賃金の差などによって生じる。2013年の厚生労働省の発表によれば、全国の生活保護受給世帯は約157万世帯であったが、そのうち65歳以上の高齢者世帯は約68万世帯で、全体の4割を超える数となった。今後は、非正規職員の高齢化が進むことからも、高齢者による生活保護受給はさらに増加し、老老格差もそれに伴って拡大すると見られている。

老老格差を防ぐためには、富裕高齢層に対する税負担の増加などにより、貧困高齢層への所得移転を進めることが必要だとする意見もある。

関連サイト:
世代間格差・世代内格差の存在(平成24年版 高齢社会白書) - 内閣府