2014年3月7日金曜日

ギュレン運動

読み方:ギュレンうんどう
別名:ギュレン集団
別名:ギュレン教団
別名:ギュレン派
別名:フェトフッラー運動
別名:フェトフッラー集団
別名:フェトフッラー教団
別名:フェトフッラー派
別名:ヒズメット
別名:ヒズメット運動
別名:Gülen hareketi
別名:Gülen cemaati
別名:Hizmet hareketi
英語:Gülen movement
英語:Hizmet
英語:Hizmet movement

トルコにおいて、イスラム教伝道者のフェトフッラー・ギュレン(ギュレン師)を精神的指導者とする市民団体、あるいはその市民団体による運動のこと。

ギュレン運動は比較的穏健な団体として知られており、イスラムの思想や国家主義的思想を基盤に置きつつ、世俗主義にも寛容な立場を取り、民主主義や人権を掲げてグローバルな活動を展開している。ギュレン運動は、トルコの民主化の推進に重要な役割を担ってきたともいわれている。

ギュレン運動は教育活動を盛んに行い、多数の学校や学習塾を運営している。学校と学習塾を合わせて、約200万人の生徒がいるといわれており、国内の学習塾の4分の1から3分の1程度がギュレン運動を母体としているともされる。それらの学校や学習塾の出身者が、トルコ社会の中枢、特に政財界や警察、検察などにおいて影響力を強めているとされる。また、ギュレン運動は、様々なメディアや金融機関などに投資を行い、政治や経済における発言力を強めている。

ギュレン運動は、同じイスラム主義を掲げる公正発展党(AKP)と長らく協力関係にあり、AKPの軍部との闘争を様々な形で支援してきたとされている。AKPのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権とも、当初は協力関係にあったとされるが、軍部の勢力低下とともにギュレン運動が政権の脅威と見なされるようになり、2013年のトルコ反政府運動(トルコの春)をきっかけに対立が表面化することとなった。

エルドアン政権は2014年2月に、教育機会の平等化を名目として、ギュレン運動の重要な活動の場である学習塾を閉鎖する法案を成立させた。3月には、エルドアン政権は大規模汚職事件が発覚した出来事をギュレン運動による陰謀と見なし、ギュレン運動を「国家内国家を作ろうとする連中」と呼んで非難した。