2015年5月26日火曜日

レプトスピローシス

別名:レプトスピラ症 英語:leptospirosis

病原性レプトスピラと呼ばれる細菌によりもたらされる感染症。人畜共通感染症(ズーノーシス)であり、ネズミ、ウシ、ウマといった保菌動物を通じて感染する。

病原性レプトスピラは生体の腎臓に定着しており、尿に混じって排出される。菌を含む尿に直接的・間接的に接触することで人間にも感染する。尿がかかった土や水に触れてレプトスピローシスに感染する場合もあり、野外で不衛生な土や水に触れる機会が増えると感染の危険も増す。

レプトスピローシスは数日から十数日程度の潜伏期間を経て発症する。症状の程度は一様でなく、軽度の場合は発熱、悪寒、頭痛といった風邪のような症状が、重症化すると下痢、嘔吐、黄疸、出血、喀血、腎不全などの症状が現れる場合もある。重症化したレプトスピローシスは「ワイル病」とも呼ばれ、死の危険が一気に高まる。

日本では1970年代頃までは年間50名以上がレプトスピローシスによって死亡していたとされる。近年では衛生環境の向上により、レプトスピローシスへの感染例は少なくなっていたが、根絶されたわけではなく、例年いくらかの感染者が出ている。東北大学は2015年5月に、東北地方でレプトスピローシスの再発生が見られるt報告、再流行の可能性があるとの懸念を表明している。

レプトスピローシスに対するワクチン等を用いた予防手段はない。野外作業やレジャーの際には不衛生な環境に接触しない注意が必要とされる。

関連サイト:
レプトスピラ症(ワイル病) Leptospirosis - 厚生労働省検疫所 レプトスピラ症 - 国立感染症研究所 レプトスピラ症 Leptospirosis - 東京都感染症情報センター