2017年11月9日木曜日

ポスト真実

読み方:ポストしんじつ
別名:ポストトゥルース
英語:post-truth

客観的事実といえる情報よりも感情に訴えかける情報の方が強く世論を動かしていくような情勢、世の流れを指す表現。英語では post-truth age(ポスト真実の時代)のように形容詞として用いられる。

ポスト真実の「ポスト」とは、英語で「後の」という程の意味を持つ語である。「ポストモダニズム」「ポスト構造主義」等、思想史の流れで用いられる場合が少なくない。前後関係における「後」のニュアンスに加えて、それ以前の流れを前時代的なものに位置付けるニュアンスも汲み取り得る場合がある。

2010年代後半以降、ソーシャルメディアを通じた情報の流通・拡散が広く一般に浸透しており、SNSを経由してオールドメディアよりも素早く情報が広がる世界になりつつある。時には情報が錯綜し、事によっては扇動を目的とする虚偽の情報(フェイクニュース)がばら撒かれる。そのような社会において、単に真実か否かという価値観よりも、訴えてくるものがあるか否かという価値観が世論を形成しやすくなっている傾向が浮き彫りになりつつある。

「ポスト真実」の原語である post-truth は、オックスフォード英語辞書によって2016年の「今年の言葉」に選ばれ、同辞書にも収録された。