2018年4月18日水曜日

負動産

土地あるいは家屋といった「不動産」のうち、資産価値がなく、他方で維持管理費や税金などの支出は必要になる、所有者にとっては財産というよりは重荷・負担・負債となっている不動産の通称。

不動産は基本的には財産であり価値ある物ではあるが、場所・土地と不可分の財産であるため立地による価値の差が激しい。僻地や過疎地の土地は買い手がつかず、資産価値がほとんどないに等しい場合も珍しくないが、所有している以上は固定資産税もかかる上にある程度の管理も必要となる。そのため何も利益を生まず支出のみ強いられる負の存在となってしまう。

負動産は、たとえば田舎で暮らしていた親が亡くなったことで相続することになった土地や、バブル景気のころに別荘や投機の目的で購入したまま遊ばせていた土地などが該当しやすい。全国的に地価が下落している(かつての土地神話が崩れた)ことも、負動産を抱える人を増やす要因となっている。おいそれと粗大ゴミのように放棄することもできないため、所有者を困らせやすい。

特定個人の所有者にとって負債となっている負動産の他にも、所有者(権利の所在)が不明になってしまい利用のめどが立たない不動産も「負動産」と呼ばれる。登記上の土地の所有者がすでに死亡しており、相続人も不明だったりすると、現状の法制上は利用したくてもできず足踏みせざるを得ない場合がある。行政もこうしたケースに対応すべき制度の整備を急いでいる。