2020年2月13日木曜日

インフルエンサー

英語:influencer

インフルエンサーとは、SNSなどを通じて情報発信し、それによって多くのフォロワーに影響を与えている人物を指す言葉。インフルエンサーは、流行・トレンドの発信源として多大な影響力を持っており、企業のマーケティング戦略においても重要視されている。

インフルエンサーの語源

インフルエンサーは、英語の influence(影響を及ぼす)に、「~する人」という意味の接尾辞 -er を足して、「影響を及ぼす人」という意味合いを示す言葉である。ちなみに、英語の influence には名詞と動詞の用法があるが、接尾辞 -er は名詞・動詞どちらの品詞にも結合する。

influence の語源はラテン語の influere に遡る。根源には「中に流れ込む」という意味合いがある。さながら奔流のように多くのモノやヒトを巻き込んでいくようなイメージで捉えてよい。

「インフルエンサー」と「インフルエンザ」の関係

なお、いわゆる流行性感冒・インフルエンザ(influenza)は、もともとは influence と同語源のイタリア語である。外来語としてのイタリア語表記が、流行性感冒を意味する固有名詞的な単語として、英語の中で定着したというわけである。

インフルエンサーとは具体的に何を指すのか

インフルエンサーと呼ばれる人の大半は、インスタグラム(Instagram)をはじめとするウェブ上のソーシャルメディア(いわゆるSNS)上で、インフルエンサーとして活動している。

インスタの他にもツイッター(Twitter)、フェイスブック(Facebook)、ユーチューブ(YouTube)、ティックトック(TikTok)、それにアメブロ(AmebaBlog)その他のブログメディアなどが、インフルエンサーの活動・情報発信の場として活用されている。どのサービスも、一般消費者が情報発信を行える場(すなわちソーシャルメディア)である、という点において共通している。

インフルエンサーは「インスタグラマー」や「ユーチューバー」とは何が違うのか

ソーシャルメディア上で多大な人気を獲得しているアカウントは、各サービス名に -er を加えて「インスタグラマー」や「ユーチューバー」などのように呼ばれることも多々ある。こうした呼び名の先駆といえば「ブロガー」だろう。

「インフルエンサー」と「インスタグラマー」等の呼び名が指す対象は、実際のところ重複する部分がかなりある。

「インフルエンサー」と「インスタグラマー」の違いは、前者(インフルエンサー)がマーケティング的な観点に基づく言葉であり、後者(インスタグラマー)は当該サービスにおける立ち位置という観点に着眼した言葉である、といえる。

インフルエンサーの具体例は? 例えば誰がインフルエンサーなのか

よく知られたインフルエンサーの名前を挙げるとすれば、たとえば国内ではタレントでインスタグラマーの渡辺直美、ユーチューバーのヒカキン(Hikakin)などが筆頭に挙げられる。海外では歌手のアリアナ・グランデ、同じく歌手のテイラー・スイフト、ジャスティン・ビーバー、サッカー選手のネイマールやクリスティアーノ・ロナウドなどが世界的なインフルエンサー(およびインスタグラマー)として知られている。

インフルエンサーは「多くの人に影響を与える」ための前提として「多くの人に向けて情報を発信する」という条件が必要不可欠である。つまり自分の投稿を目にしてくれるフォロワー(YouTubeならチャンネル登録者)の数が多くなければ話にならない。そのため、インフルエンサーとして活動する前から名前や顔が知られている有名人(たとえば芸能人・芸人・タレント・歌手・俳優・スポーツ選手・文化人など)は、SNSにアカウントを開設する前にファンが居たりするわけで、インフルエンサーとして立身する条件としては一般人よりよほど有利といえる。

とはいえ、あらかじめ名前が世に知られている人物でなければインフルエンサーにはなれない、というわけでは全くない。魅力的な情報の地道に発信し続けてファンを増やしていき、無名の一般人と同じ条件からインフルエンサーとして名を馳せるに至ったインフルエンサーも大勢いる。(ヒカキンはその代表例である)

そして、マーケティング戦略という観点から捉えた場合には、むしろ芸能人やスポーツ選手といった名声のある人物よりも、比較的小規模ながら純粋にインフルエンサーとして世に知られている人物の方が、かえって重視されることが多々ある。なぜかというと、より一般ユーザー(一般消費者)に近い立ち位置の「中小インスタグラマー」の方が、自社商品のプロモーション活動に一役買ってもらえる可能性が高いためだ。

どうすればインフルエンサーになれるか

インフルエンサーとして世に認められ活躍する(あわよくば儲ける)ために必要なことは、「多くの人を感化させる魅力的なコンテンツを世に発信する」ということに尽きる。

セオリー(定石)は皆無、と割り切る。もしセオリーがあったとしても、それがセオリーとして確立される頃には既に陳腐化しており、有効な手法ではなくなっているに違いない。

できるだけユニークな(独自の)発想・観点で、親しみやすく、共感を得られるような、しかも斬新な、人々の心をグッとつかむような事を、発信する必要がある。こんな抽象的な、ほとんど言わずもがなの課題を、実際どう具体化すればよいのか? それは誰にも教えられない。ただ自分なりの方法を見つけた人がインフルエンサーとして成功を収めているという事実があるのみだ。

なお、インフルエンサーのSNS上の活動は、少なくともSNSの利用方法は、基本的には、インフルエンサーでない一般のSNSユーザーと同じである。事業として「インフルエンサー業」に取り組んでいるという人もいるでしょうけど、多くは本業の傍ら全く無関係に、または本業の一環・副産物として、活動していると考えてよい。

そういう(本業が他にある)人も、肩書きとして「インフルエンサー」を名乗っている場合はあるかもしれない。しかし「インフルエンサー」は一種の称号のようなものであり、自ら名乗るようなものではない。