2020年5月7日木曜日

インセンティブ

英語:incentive

インセンティブとは、インセンティブの意味

インセンティブとは、意欲を引き出すことを目的として外部から与えられる刺激のこと。インセンティブは、ビジネスシーンにおいては目標やノルマを達成した際に支給されるボーナスや報奨金という意味でよく用いられている。そのため、インセンティブの語は成果報酬と捉えられることが多い。

インセンティブの語源

インセンティブは、英語で「incentive」と表記される。英語の incentive の語源になっているのは「励ます」という意味を持つラテン語の incentivus である。そこから派生した英語の incentive は、何かの行動を起こさせることを目的とした刺激や動機、誘因という意味を持つ。日本語におけるインセンティブも基本的には同じ意味合いで、動機を意味することが一般的だ。ビジネスシーンでインセンティブという言葉が使われる際には、働く上での意欲の向上や仕事における目標達成といった内的意欲を引き出すために、外的に与える動機付けや刺激という意味である。動機付け、見返り、報奨という言葉に言い換えることも可能である。

ビジネスシーンにおけるインセンティブの語の使い方

ビジネスシーンにおいては、販売目標やノルマ達成などの出来高制で報奨金を与えることがしばしば行われる。インセンティブとはこうした出来高制自体を意味することもあるし、こうした制度によって引き出される意欲を意味することも時としてある。インセンティブに似た言葉に「モチベーション」があるが、モチベーションは自発的動機付けも含まれるのに対し、インセンティブは外部から与えられる動機である点で両者の持つ意味合いは異なる。日本の企業社会が年功序列型から成果報酬型に変化していることに伴い、企業がインセンティブを提供することが増えた結果、よく見かけられるようになった言葉である。

インセンティブは、一定の成果を出した社員に対して与えられる金銭的な報酬や手当だけを意味するわけではない。たとえば、スタッフの士気を上げることを目的とした労働環境の改善や、目標を達成したことに対する見返りとして旅行に出かけられる権利を得られることなども含まれる。すなわち、社員のモチベーションを上げるためのあらゆる制度のことである。

インセンティブの語の用例、使い方

インセンティブは主として給与形態に用いられる言葉であり、こうした企業の給与形態はインセンティブ報酬、インセンティブ契約、インセンティブ制度と呼ばれる。インセンティブ制度と書かれている場合は成果主義を取っており、基本給以外に成果に応じた報酬や手当を与える制度である。

インセンティブ制度の事例は、変動賞与制度や表彰制度、リーダー制度、インセンティブツアーなどが挙げられる。変動賞与制度は成果に応じてボーナスが加算される制度、表彰制度は成績優秀な社員を他の社員の前で表彰する制度、リーダー制度は実力があれば誰でもリーダーになれる制度、インセンティブツアーは成績優秀な社員だけが参加する権利が与えられる旅行のことである。報奨金という意味合いでインセンティブという言葉を使う事例には「インセンティブ導入」「インセンティブ設計」「インセンティブ付与」「インセンティブを支給」「インセンティブによって還元」などがある。

動機や刺激という意味合いで使う事例は「インセンティブが働く」「インセンティブを与える」「インセンティブを高める」などだ。「インセンティブが働く」という言葉は、スタッフがやる気になり業績が上がった場合など、報奨の仕組みが目標どおりに機能できている場合に使われる。「インセンティブを与える」という言葉は、成績優秀者にインセンティブを与えるという使われ方が一般的だ。「インセンティブを高める」は、例年よりも報奨金を多く出す場合や新規の報奨金制度を敷く場合など、報奨による効果をより高めようとする場合に用いられる。