2010年11月17日水曜日

超臨界圧火力発電

読み方:ちょうりんかいあつかりょくはつでん
英語:Supercritical Pressure Coal-Fired boiler

火力発電で利用される、ボイラーから蒸気タービンへと送られる水蒸気を、水の臨界圧を超える高温・高圧条件下におくことによって、水を気化させるための熱エネルギーを削減する技術。より少ない熱消費量で効率的に発電を行うことが可能になる。

液体に一定水準以上の熱および圧力を掛けると、気体から液体への転移が起こる。ボイラー内を常に気体から液体へと転移する以上の圧力をかけておくことで、通常環境下での沸点よりも低い熱量で気化させることができる。このような環境を実現するボイラーを「超臨界圧ボイラー」と呼ぶ。

超臨界圧ボイラーを利用することで、発電効率が向上し、ひいては排出されるCO2の量も削減される。その意味で太陽光発電やバイオマス燃料のように環境負荷の低減を実現するシステムであると言える。また、火力発電は世界各地に豊富な埋蔵量のある石炭が利用できるため、安定的な供給が図れるというメリットもある。

超臨界圧石炭火力発電プラント(発電所)の主なメーカーとしては日立製作所、東芝、三菱重工などがあり、それぞれ国内外へ設備の供給を行っている。また、超臨界圧石炭火力発電のさらなる効率化を図る技術として、「超々臨界圧発電」や「先進超々臨界圧発電」などの開発も進んでいる。

関連サイト:
超臨界圧石炭火力発電プラント - 日立:環境への取り組み
石炭焚プラント - 三菱重工
A-USC(700℃級超々臨界圧発電) - 東芝 電力システム社