2011年4月15日金曜日

フェロシアン化鉄

読み方:フェロシアンかてつ

化合物。「紺青」(プルシャンブルー)と呼ばれる深い青色の顔料の主成分。

2011年4月15日現在、このフェロシアン化鉄が放射性物質のセシウムを吸着する働きのあることから、水中の放射能汚染を吸着・除去する材料として活用できる手法が開発されたと報じられ、注目を集めている。

セシウム(放射性セシウム)は、放射性ヨウ素などと並び、原発事故などで飛散しやすく、周辺へ影響を及ぼしやすい。ヨウ素は半減期が8日と、短期間で危険度が下がるが、セシウムは半減期が約30年と長期にわたって放射能を持ち続ける。

放射性物質の除去方法としては、フェロシアン化鉄を汚染水に溶かして中のセシウムを吸着させ、セシウムごとフェロシアン化鉄を分離するという手順が取られる。海洋汚染が懸念されている福島第一原子力発電所の冷却水として使うなど、用途が検討されている。