2013年5月8日水曜日

失独老人

読み方:しつどくろうじん

中国の「一人っ子政策」の下で、ただ一人の子供に先立たれた親を指す語。

中国では1979年から「一人っ子政策」と呼ばれる人口抑制政策が実施されており、一組の夫婦が産み育ててよい子供は1人までと制限されている。その子が事故や病気などによって亡くなった場合、残された親は退職後の経済的不安や老後の健康的不安にさらされることになる。むろん「ただ一人の子を亡くした」という精神的な打撃にも襲われる。

2010年代に入り、一人っ子政策のもとで生まれた世代は30代に、その親は60代前後の高齢世代になりつつある。「北京週報」日本語版では、2012年時点で中国の失独家庭は少なくとも100万世帯に上り、毎年7万6000世帯が失独家庭になっている、というデータを紹介している。失独老人は今後さらに増加するとみられる。

なお、一人っ子政策のもとで生まれた二人目以降の子は、戸籍を持つことができない。そのようにして戸籍を持たずに育った子供は「黒孩子」と呼ばれ、「一人っ子政策」により生じた問題の一つとされている。

関連サイト:
一人っ子に先立たれた「失独老人」に思いやりを - 「北京週報日本語版」2013年3月16日