読み方:しゅうだんあんぜんほしょう
英語:collective security
複数の国家が国際的な組織や枠組を形成しルールを定めることで、その国際的な枠組内における紛争などを未然に防ぎ、平和を維持しようとする安全保障体制。主権国家体制を基本とした勢力均衡論の代替物として広まった。
集団安全保障を行う場合には、将来的に敵になりそうな国家をあえて国際組織に加入させて、その潜在的な敵国の行動を抑制するといった狙いもあるとされる。
第一次世界大戦後、新たな安全保障体制としてアメリカ大統領のウッドロー・ウィルソンが集団安全保障の必要性を唱え、国際連盟が設立された。しかし大国が国際連盟に参加しなかったなどの要因で、国際連盟による集団安全保障体制は十分に機能しなかった。
第二次世界大戦後に設立された国際連合では、国際連盟の反省を活かし、アメリカをはじめとする大国が参加することで、より強力な集団安全保障体制を目指している。
21世紀現在では、集団的自衛権やPKOの活動などが集団安全保障の争点となっている。