2013年8月21日水曜日

共通だが差異ある責任

読み方:きょうつうだがさいあるせきにん
別名:共通だが差異ある責任原則
英語:common but differentiated responsibilities

地球環境問題の責任に関する考え方。1992年にリオデジャネイロで行われた地球サミットで採択された、リオ宣言などで用いられてから普及した考え方である。

地球環境問題は21世紀のグローバルイシューの一つであるが、問題が越境的であることに加え、加害者と被害者を特定することが難しいこと、さらには先進国と途上国との間で責任の度合が異なることなど、他の国際的な問題と比べて複雑であるとされている。また、地球環境問題の国際会議の場などでは、先進国対途上国という対立構造が存在する。先進国は途上国にも責任があると主張する一方で、途上国は環境問題の原因の大部分は先進国にあると主張している。

先進国と途上国両者の歩み寄りを目的として、共通だが差違ある責任原則の考え方が形成されてきた。「共通だが差違ある責任」は、地球環境問題の責任は全ての国家にあるが、責任の程度には差違を設けるという考え方である。具体的には、地球温暖化防止のための温室効果ガス削減目標に差違を設けたり、削減期間を調整したりすることなどが行われている。

中国をはじめとする新興国の発展により、差違ある責任原則の見直しを求める声もある。