2013年8月28日水曜日

シリア内戦

読み方:シリアないせん
別名:シリア騒乱

2011年3月頃から続く、シリア国内における政府と反体制派の間における一連の衝突。騒乱と表現するメディアもある。

2010年から2011年にかけて、北アフリカや中東を中心に民主化運動が拡大し、チュニジアのベンアリ政権、リビアのカダフィ政権などの長期に渡った独裁政権が崩壊した。

北アフリカや中東のアラブ諸国を中心に生じた「アラブの春」の影響を受けて、シリア内部でもアサド大統領をはじめとする現体制側への反発が高まった。アサド大統領は実父を継いで、2000年に大統領に就任し、独裁体制を維持してきた。

シリアでは2011年3月頃から市民による反政府デモが勃発し、日に日にエスカレートしている一方で、アサド政権側もこれに応じて、市民を容赦なく銃撃したり、離反兵を空爆したりと、徹底的に弾圧する構えを取っている。

2013年7月25日には、国連の潘基文事務総長がシリア内戦の犠牲者が10万人を超えたことを発表した。2012年当時シリアで取材を行っていた日本人ジャーナリストの山本美香も取材中に射撃され、内戦の犠牲になっている。また、150万人以上が他国へと逃げ、難民となっているとされる。

2013年8月には、シリア内戦で化学兵器が使用された疑いがあると発表された。西側諸国などは、アサド政権側が化学兵器を使用したとする一方で、シリア政府は、化学兵器を使用したのは反体制派だと主張した。化学兵器の調査に国連の調査団が送り込まれたが、何者かに銃撃され、調査活動が停滞した。

米国は、大量破壊兵器である化学兵器の使用について「超えてはならない一線」と表現しており、2013年8月28日現在、米国などが主導する軍事介入の姿勢が強まっている。

関連サイト:
シリア内戦の犠牲者10万人超す 国連事務総長 - CNN
シリア内戦 反体制派「毒ガス攻撃、1300人以上死亡」 政権側は否定 - MSN産経ニュース