2013年8月28日水曜日

無医村

読み方:むいそん

常勤の医師がいない村。

無医村におおむね共通する特徴は、僻地であって人口の少ない過疎地であるという点である。地理的要因などにより、常勤の開業医がいても満足に医療を受けられるのは一部の住民のみで、他の多くの住民にとって医師不在に等しい状況となっている場合も、無医村の問題に含めて扱われる。

無医村は、長年その地域で診療所を営んできた医師が高齢化によって退職したが、後任が見つからない、といった事情により発生する。後任の医師が見つかった場合でも、地域住民がほかの地域からやってきた(ヨソ者である)医師を受容せず、排他的に扱ったり、ムラ社会の権力関係や理不尽なしきたり・因習の遵奉を強いたりした結果、医師の医療従事者としての志を失わせてしまうケースもあると言われている。

山形県酒田市の離島・飛島は、2012年春に医師が引退してから2013年8月に後任医師が見つかるまで無医村だった。また、秋田県上小阿仁村は2010年前後の数年で数名の医師が立て続けに就任後まもなく辞めており、断続的に無医村になるという状況になったことで知られるようになった。