2013年11月18日月曜日

地球寒冷化

読み方:ちきゅうかんれいか
英語:global cooling

地球の平均気温が長期的に低下すること。地球は長い歴史の中で、寒冷化と温暖化を幾度も繰り返してきたが、一般的に「地球寒冷化」という語や「地球寒冷化説」が言及するのは、20世紀後半から2013年現在にかけて、今まさに起こっているとされる「寒冷化」である。しかし、地球の大気や海水温に関連する多くの研究の成果をまとめると、「現在地球寒冷化が起こっている」という主張は根拠に乏しいといわれている。また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた「第4次評価報告書」には、「温暖化には疑う余地がない」と記されており、地球寒冷化説は完全に否定されている。

地球は寒冷な氷河期(氷期)と温暖な間氷期を周期的に繰り返してきたが、約1万年前に終了した最終氷期以後、2013年現在に至るまで間氷期にあるといわれている。現在、地球寒冷化が起こっているという「地球寒冷化説」の多くは、地球が氷期に突入しつつある、あるいは間もなく氷期が始まると主張する説である。

地球寒冷化を引き起こす具体的な原因としては、太陽活動の低下が挙げられることが多い。2012年には、日本の国立天文台とNASAの研究グループが太陽活動が低下傾向にあることを発表したが、それが地球寒冷化に及ぼす影響は不明だとしている。そのほか、太平洋の海水温が数十年周期で変動を起こす「太平洋十年規模振動(PDO)」が寒冷化の原因として挙げられることがある。しかし、それらの要因と比較しても、人為的要因が温暖化の方向にもたらす影響の方が遥かに大きいという説が定説となっている。

1970年代には地球寒冷化説が盛んに唱えられ、地球が間もなく氷河期に入るという説が、新聞や一般向け書籍などによって取り上げられ、広く認知された。しかし、1970年代当時も、査読つき学術論文の多くは、むしろ人為的要因による温暖化を指摘していたとされる。2013年現在には、かつて唱えられた地球寒冷化を支持する諸説は誤りであるという見方が大勢を占めている。しかし、「地球寒冷化説」はなおも、地球温暖化に対する懐疑論として引き合いに出されることがある。