2013年12月19日木曜日

イスカンデル

別名:9K720イスカンデル別名:イスカンデルミサイル
別名:Искандер
別名:SS-26 Stone
英語:9K720 Iskander
英語:Iskander

2006年からロシア連邦軍で採用されている複数の戦域弾道ミサイルの総称。射程距離などが異なる「イスカンデルM」「イスカンデルE」「イスカンデルK」などのミサイルからなる。

イスカンデルは、中距離核戦力全廃条約による規制に対応可能なミサイルとして、旧ソ連時代から継続的に開発が行われていたと見られている。2013年現在におけるイスカンデルの開発、製造の主な目的は、米国が2000年代からヨーロッパで進めてきた「欧州ミサイル防衛計画」への対抗だとされている。米国は、欧州ミサイル防衛計画の対象を、イランなどの「ならず者国家」だと発表していたが、ロシアは自国が対象となっているとして、計画開始当初から反発していた。

2013年12月に、米国はロシアがカリーニングラード州にイスカンデルを配備したと見られることを明らかにしたとともに、イスカンデルの配備が地域情勢を不安定にするおそれがあるとして懸念を表明した。のちに、ロシア国防省は配備を事実だと認めた上で、国際条約上の違反はなく、批判されるいわれはないとして反発した。カリーニングラード州はロシアの飛び地で、NATO加盟国であるポーランドとリトアニアに挟まれた位置にある。イスカンデルの射程距離には東欧諸国やバルト三国が含まれることから、それらの国でも防衛上の懸念が高まっている。ロシアのメドヴェージェフ大統領は2008年には既に、カリーニングラード州へのミサイル配備を示唆する発言を行い、米国を牽制していた。