2014年1月8日水曜日

セチリスタット

別名:オブリーン
別名:ATL-962
英語:cetilistat

膵臓リパーゼの作用を阻害することにより、脂肪の吸収を抑える肥満治療薬の一種。イギリスの製薬会社、アリザイム社によって創製された。2009年に、オランダのノルジーン社がセチリスタットの全権利を取得し、2014年現在、独占販売権を有している。

武田薬品工業株式会社は2003年にアリザイム社からセチリスタットの製造販売承認を取得して臨床試験を進め、2013年に厚生労働省から製造販売を認可された。セチリスタットは、日本国内で初めて承認されたリパーゼ抑制剤となった。セチリスタットは、BMI25以上の肥満症患者のうち、2型糖尿病および脂質異常症を合併している患者のみに適用される。武田薬品工業は、2014年にセチリスタットを「オブリーン」の商品名で販売することを発表した。

セチリスタットの臨床第3相試験では、52週間で約2.8%の体重減少が見られ、プラセボ投与の対照群に対して統計学的有意差が確認された。また、血中のヘモグロビンA1cやLDLコレステロールの値にも改善が見られた。しかし、セチリスタットに対しては、体重減少が少なく、効果が見込めないという意見があった。また、そもそも肥満は病気ではなく、保険適用の必要性に乏しいという意見もあり、2013年11月の中央社会保険医療協議会(中医協)総会では、オブリーンに対する保険適用が却下された。