2014年2月12日水曜日

少年兵

読み方:しょうねんへい
別名:少女兵
別名:子供兵
別名:子供兵士
英語:child soldiers

18歳未満の少年少女の兵士のこと。国際連合児童基金(UNICEF)は、全世界に約25万人の少年兵がいると推定している。

少年兵の歴史は古いが、現代において特に問題とされるのは、紛争地域などで強制的または半強制的に戦闘に参加させられている少年兵の存在である。少年兵は、特に反政府勢力によって用いられることが多く、村を襲撃するなどして拉致してきた子供を強制的に兵士として徴用することが、世界各地で頻繁に行われているとされる。少年兵が用いられる背景には、紛争の長期化に伴う兵士不足や貧困が影響しているといわれている。

少年少女を恐怖心を持たない従順な兵士とするためには、洗脳教育を施したり、薬物を投与したり、家族や友人を自らの手で殺させたりする非人道的行為が常套手段とされている。戦闘の際には、少年兵は最も危険な前線に駆り出されることが多く、自爆攻撃や地雷の除去などに捨て駒として用いられることも多いとされる。

少年兵の使用は、子供の人権に対する重大な侵害行為として、国際的な問題とされてきた。国連で1989年に採択された「児童の権利に関する条約」第38条では、15歳未満の児童の軍隊への採用が禁止されている。また、2000年に採択された「武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約選択議定書」では、18歳未満の児童の強制的徴集や、非正規軍での18歳未満の児童の採用も禁止された。その他、複数の国際条約や議定書などで少年兵の使用が禁止されており、国際刑事裁判所規定では、少年兵の使用が戦争犯罪にあたることも定められている。

元少年兵の社会復帰は、経済的・精神的な問題のほか、地域社会からの差別や偏見などによっても困難を極めるといわれている。UNICEFや国際NGO、国内NGOなどが連携して、世界各地で元少年兵を支援する取り組みを行っている。

関連サイト:
人道支援と保護 - 国際連合広報センター