2014年2月21日金曜日

改正日本輿地路程全図

読み方:かいせいにほんよちろていぜんず
別名:赤水図

水戸藩の地理学者、長久保赤水が1779年に作成した日本地図。北海道(蝦夷地)や小笠原諸島、沖縄などを除く日本全土を描いている。刊本としては、初めて緯線と方角線が記された日本地図だとされている。

「改正日本輿地路程全図」は、1774年に長久保赤水自らが作成した「日本輿地路程全図」の改訂版であり、伊能忠敬の「大日本沿海輿地全図」の42年前に刊行された。実測した地図ではないことから、伊能忠敬の地図よりも正確性には劣るが、20数年に及ぶ文献調査に基づき作成され、高い完成度を誇っている。この地図は約100年間に8版を数え、明治時代まで庶民の間でも盛んに用いられた。

「改正日本輿地路程全図」には、竹島が当時の「松島」の名で描かれており、日本側の竹島領有を示す最古の地図ともされている。そのことから、日韓両国の間にある竹島問題では、「改正日本輿地路程全図」の内容や証拠能力が争点とされることがある。

韓国の東北アジア歴史財団は、「改正日本輿地路程全図」が私撰の地図であると主張し、証拠能力に乏しいことを指摘したが、島根県は「Web竹島問題研究所」において、長久保赤水が水戸藩の侍講であること、のちに昌平黌の教官となった柴野栗山が製作に関わっていたことなどを挙げて反論した。また、韓国側は竹島が彩色されていないこと、経緯度線の外に描かれていることなどを挙げて、長久保赤水が竹島を日本の領域外と見なしていたことを主張しているが、島根県は赤水の竹島に関する記述が齋藤豊仙の「隠州視聴合紀」に由来し、明確な根拠があることを挙げ、韓国側の主張を「根拠にもならない理屈」と断じた。

関連サイト:
竹島の認知 - 外務省
韓国が知らない10の独島の虚偽 - Web竹島問題研究所(島根県)