2014年2月21日金曜日

李承晩ライン

読み方:りしょうばんライン
別名:平和線
別名:李ライン
別名:イ・スンマンライン
別名:이승만 라인
別名:평화선
英語:Syngman Rhee Line

1952年に韓国の大統領、李承晩が、日本海から東シナ海にかけての公海上に設定した境界線。李承晩ラインの内部における漁業資源、鉱物資源などに関する主権は、韓国政府が持つとされた。李承晩ラインの内側には日本の竹島(韓国名:独島)や、中国が領有権を主張する蘇岩礁(韓国名:離於島)も含まれたことから、それらの島々の領土問題にも影響した。なお、韓国側はこのラインを「平和線」と称している。

日本の外務省は、2014年現在、李承晩ラインを国際法に反する「違法」な境界線と捉えている。また、李承晩ラインの設定当時も、中国、米国、イギリスなどが抗議を行い、李承晩ラインを承認する国はなかった。

李承晩ラインに基づき、1952年から1965年までに3929人の日本の漁民が拿捕されたほか、第一大邦丸事件など、日本人が殺害される事件も起こった。韓国側は、拿捕した漁民の返還と引き換えに、犯罪を起こして収監されていた在日韓国・朝鮮人の放免を要求し、日本政府はそれに応じることとなった。なお、韓国は日本漁船だけでなく、中国漁船の拿捕も行った。1960年にダグラス・マッカーサーは、機密電文3470号において、李承晩ラインに基づく漁民の拘束を「残酷で野蛮な弾圧行為」として非難した。

1965年の日韓漁業協定締結に伴い、李承晩ラインは自動的に廃止されることとなった。しかし、李承晩ラインは韓国による竹島の実効支配(不法占拠)のきっかけとなったことから、2014年現在の竹島問題にも影響を残している。

韓国の建国大統領李承晩博士記念事業会は2014年1月に、「李承晩元大統領の平和線宣言62周年記念式」を開催し、李承晩ラインを「日本の誤った歴史認識に対する国民の厳しい審判」と表現した。

関連サイト:
8.「李承晩ライン」の設定と韓国による竹島の不法占拠 - 外務省
「李承晩ライン」は日本の歴史認識に対する審判=韓国で式典 - 聨合ニュース(2014年2月21日閲覧)