2014年2月24日月曜日

シェールガス革命

読み方:シェールガスかくめい
別名:シェール革命
別名:シェールガスブーム
英語:shale gas revolution
英語:shale gas boom

2012年頃に北米大陸で起こった、シェールガスが従来よりも低コストで得られるようになり、生産量が飛躍的に増加した出来事のこと。

シェールガスとは、頁岩層(シェール層)から採取される、メタンを主成分とする天然ガスのことである。シェールガスの存在は以前から知られていたが、地下2000メートル付近の非常に深い場所に埋蔵されており、採掘コストが商業生産に見合わないことから、資源としての利用は不可能とされてきた。しかし、水圧破砕法、水平坑井掘削技術、マイクロサイズミックなどの技術が発達したことをきっかけに、採掘コストが急速に低下し、商業ベースでの採掘が実現された。

シェールガス革命は、国際石油資本(石油メジャー)ではなく、中小企業の技術が主体となって起こったという特徴がある。シェールガス革命は、生産者が長年をかけて生産手法を効率化させていった結果、達成されたとされている。

シェールガス革命が起こると、国際石油資本に米国回帰の動きが見られたほか、海外から多くの資本が米国に参入するようになった。国際エネルギー機関(IEA)は、米国は2025年から2030年頃に、世界最大のエネルギー生産国になると予測している。また、シェールガス革命後、世界各国でシェールガスの探鉱が行われるようになった。日本は地質年代が新しいことから、シェールガスの採掘は期待できないとされている。

シェールガス革命は天然ガス価格の低下をもたらし、世界のエネルギー事情に大きな影響をもたらすと考えられている。特に、従来天然ガスを主要な収入源としてきたロシアや中央アジア諸国は、経済的な影響力を低下させると見られている。日本では、天然ガスの価格が石油価格と連動して決定されていることから、シェールガス革命による天然ガスの価格低下の恩恵をすぐに受けることはできず、北米からの輸入が可能になって初めて受けられるともいわれている。

シェールガスは当初、温室効果ガスの排出量が従来の石油燃料などより圧倒的に少ないと報じられたこともあったが、実際にはむしろ排出量が大きいという指摘もある。また、水圧破砕法が地下水を汚染するのではないかという懸念もある。