2014年2月26日水曜日

南京大虐殺犠牲者追悼日

読み方:なんきんだいぎゃくさつぎせいしゃついとうび
別名:南京大虐殺追悼日
別名:南京大虐殺犠牲者国家追悼日
別名:南京大屠杀死难者国家公祭日
別名:南京大虐殺の日

中国における記念日の一つで、1937年に起こったとされる「南京大虐殺」の犠牲者を追悼する日。2014年2月に、中国政府が「抗日戦争勝利記念日」とともに、法律で制定を検討していることが報じられた。南京陥落の12月13日が記念日とされる見込みである。

1937年の南京事件、いわゆる「南京大虐殺」の規模や内容、あるいは実在性については、日本と中国の間で見解に相違がある。中国側の学者の多くは、南京大虐殺の犠牲者数は30万人以上と見積っており、中国政府もその説をとっている。南京大虐殺犠牲者追悼日制定にあたっても、「三十多万人惨遭杀戮(30万人以上が虐殺された)」という文言が含まれた。しかし、日本側の学者には、30万人の犠牲者がいたとする説は、一般に支持されていない。

日本政府は、「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」とする見解を示しているが、犠牲者数については、学者によって見解が異なっており、「どれが正しい数かを認定することは困難」としている。また、虐殺行為があったとされる時期に南京市に目立った人口減少がなかったこと、写真や証言に信憑性が乏しいことなどを根拠に、南京大虐殺の存在自体を否定する説もある。

中国政府による南京大虐殺犠牲者追悼日の制定には、日本に対して歴史問題で圧力を強める目的があるとされており、全人代法制業務委員会主任の李適時は、記念日について、「日本の侵略者らの戦争犯罪を暴露」するものだと述べている。日本では、記念日制定により、中国国内の反日感情が助長されるおそれがあるとして、日中関係の悪化を懸念する声が多い。また、国家レベルで記念日が制定されることで、追悼行事が南京市周辺だけでなく、中国全土に広がるとの予想もある。

参考リンク:
歴史問題Q&A「南京大虐殺」に対して、日本政府はどのように考えていますか。 - 外務省