2014年2月26日水曜日

配偶子バンク

読み方:はいぐうしバンク
別名:冷凍動物園
英語:gamete bank
英語:gamete storage

絶滅危惧種の保存や人工繁殖の研究などを目的として、動物の精子や卵子などの配偶子を半永久的に保存する施設のこと。日本では、神戸大学の楠比呂志准教授が、1993年に研究室内に設置したのが始まりとされる。

配偶子バンクにおいては、精子や卵子などを動物園、水族館などから集め、特殊な容器に入れて液体窒素で凍結させる手法がとられている。配偶子の冷凍保存は、ヒトや家畜などでは盛んに研究されてきたが、絶滅危惧種を含む野生動物に関しては知見が少なく、研究施設の充実が求められている。

2013年8月に京都大学や京都市動物園などの研究グループは、凍結乾燥(フリーズドライ)の手法を用いた配偶子バンクを設立することを発表した。この手法では、5年間保存された精子でも人工授精に成功したことが発表されている。

また、日本動物園水族館協会(JAZA)は神戸大学と提携し、2014年3月から、横浜市繁殖センターで配偶子バンクの運営を始めることを発表した。

配偶子の凍結保存は国外でも研究されており、例えばドイツのライプニッツ動物園・野生動物研究所(IZW)は、2007年から「ネコ科配偶子レスキュープロジェクト(Felid Gametes Rescue Project)」を行ってきた。IZWは2013年2月に、絶滅危惧種を含むネコ科の複数の動物について、未熟な卵母細胞を多く含む卵巣皮質の凍結保存に成功したと発表した。

関連サイト:
横浜市繁殖センターの事業詳細 - 横浜市
Cryopreservation: A chance for highly endangered mammals - Science Daily