2014年3月31日月曜日

IPCC

読み方:アイピーシーシー
別名:気候変動に関する政府間パネル
英語:Intergovernmental Panel on Climate Change

各国の政府関係者や科学者などからなる、地球温暖化問題を扱う国際機関。1988年に、世界気象機構(WMO)および国連環境計画(UNEP)が主体となって設立された。

IPCCでは、過去に全世界で発表された地球温暖化に関する研究成果を取りまとめ、科学的側面、技術的側面、社会経済学的側面などからの多面的な検討を行っている。3つの作業部会では、それぞれ地球温暖化に関する科学的知見、社会や生態系に対する影響、温室効果ガスの排出抑制など対策に関する議論が行われている。

IPCCが発行する報告書は、地球温暖化の科学的研究や政策判断などにおいて重視され、京都議定書や気候変動枠組条約の交渉会議においても重要な資料とされてきた。IPCCは1990年に「第1次評価報告書(AR1)」を発行してから、5-6年に一度の頻度で評価報告書を改訂し、最新の知見を反映させている。これまで発表された評価報告書では、人類の活動が地球温暖化に影響を与えていること、それにより深刻な被害が生じる危険性があること、状況が次第に悪化していることなどが明記されてきた。人為的影響が地球温暖化をもたらしたという事実の確からしさは、第3次評価報告書では66-90%とされたのに対して、第4次評価報告書では90%以上、第5次評価報告書では95%以上と評価された。

IPCCが2013年から2014年にかけて発行した第5次評価報告書では、現在のペースのままで温暖化が進むと、地球の平均気温が5℃以上上昇することが示された。また、それによって生じる農業生産の減少や氷床融解、海面上昇などの具体的推測値や、温室効果ガスの削減目標などが発表された。

なお、IPCCは2007年に、人為的な地球温暖化に対する人々の意識を高めた功績に基づき、アル・ゴアとともにノーベル平和賞を受賞した。

関連サイト:
IPCC
IPCC(気候変動に関する政府間パネル) - 気象庁