2015年3月26日木曜日

トランスナショナル企業

読み方:トランスナショナルきぎょう
別名:トランスナショナルカンパニー
別名:トランスナショナルな企業
別名:トランスナショナル型企業
別名:無国籍企業
別名:超国籍企業
英語:transnational company
英語:transnational corporation

国境の垣根を越えて世界規模で(世界の市場で)事業を展開する企業のこと。一般的には、各国に子会社を置き、子会社が相互に連携して(役割を分担いして)事業を推進し、スケールメリットや販売チャネルの多さなどを活かして国際市場での競争力を勝ち取る、といった特徴を持つ企業を指す。

「トランスナショナル」(transnational)の語は「国境を越えた」といった意味である。類似する意味の言葉として、国家間を跨ぐといった意味の「インターナショナル」(international)、複数の国にまたがるといった意味の「マルチナショナル」(multinational)、地球規模・世界的といった意味の「グローバル」(global)などがある。文脈によっては、トランスナショナル企業(transnational company)と「多国籍企業」(multinational company)や「グローバル企業」(global company)は特に区別されずに扱われている場合もある。

クリストファー・バートレット(Christopher Bartlett)とスマントラ・ゴシャール(Sumantra Ghoshal)は、共著「Managing across borders」において、複数ヵ国で事業展開する企業をマルチナショナル(multinational)、グローバル(global)、インターナショナル(transnational)、そしてトランスナショナルの4タイプに区分した。「トラスナショナル企業」を厳密な意味で扱う場合、このバートレットとゴシャールの理論を前提していることが多い。

バートレットとゴシャールの区分では、複数ヵ国に現地法人を構えて(トップダウン式に)事業展開しスケールメリットを享受する企業がマルチナショナルな企業である。スケールメリットに加えて、地域差を鑑み販売方式・運用方式を最適化する企業がグローバルな企業である。さらに母国の親会社と現地の子会社といった区別を越えて、世界各国各地域の拠点間で技術やノウハウを共有し合い高め合っていく企業がインターナショナルな企業である。そして、これら3要素を全て兼ね備えることのできる企業の在り方がトランスナショナルな企業と位置づけられている。