2010年11月19日金曜日

都市鉱山

読み方:としこうざん
英語:urban mine

レアメタルが使用されている家電製品の廃棄物を大量に保有している都市部を希少金属(レアメタル)の鉱山に見立てた呼び名。産業に必要となる鉱物の自給を実現できる概念として注目されている。

携帯電話やPCなどの電子機器をはじめとする家電製品の多くには、希少とされるレアメタル、ならびにレアアースが使用されている。放置されている家電廃棄物からレアメタルを効率的に取り出して再利用できれば、スクラップの山は現在のハイテク産業に必要な資源の供給源へと変えることができる。

経済産業省では、2009年使用後も回収されず家庭にしまわれたままになっている携帯電話端末の回収を促進する「たんすケータイあつめタイ\(^o^)/」プロジェクトを実施、端末の回収を促すと共にレアメタルリサイクルに関する啓発を行っている。携帯電話には、ネオジウムやパラジウム、またバッテリーとしてニッケルやコバルトなどが使用されている。金や銀などの貴金属も使用されている。

都市鉱山の概念は1980年代に提唱されたものである。その後、日本が主力産業でもあるハイテク産業において必要なレアメタルの調達を輸入に依存している状況や、中国のレアアース輸出規制に象徴される今後の安定供給に対する危惧などを背景とし、改めて事業の推進が強化されつつある。

関連サイト:
都市鉱山開発機構
レアメタルリサイクル最前線2009 - 国際レアメタル&リサイクル研究会