2011年4月11日月曜日

屋内退避圏

読み方:おくないたいひけん

原子力事故などが発生した際、放射性物質などを避けるために「屋内待避」するように指示が出されている地域。

屋内退避圏は当の原子力施設を中心とした周辺地域が対象となるが、事故の危険度により数キロ~数十キロと対象圏域が異なる。避難指示よりは軽度の指示であると言える。自己判断により避難することもできる。

屋内退避圏内の家庭では、窓や通気孔を密閉したり外出を控えたりする必要はあるが、家屋内ではほぼ通常通りに生活することが可能である。そのため、物資の不足などの不便は知られにくく、また農作物の風評被害の対象とされやすいという問題も抱えやすい。

2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故では、屋内退避圏に位置している福島県南相馬市内の病院で、点滴用の薬剤が不足して患者が亡くなるなどしている。

2011年4月11日には、これまで屋内退避圏に指定されていた原発より20キロ~30キロ圏内の市町村が「計画的避難区域」および「緊急時避難準備区域」に指定された。「計画的避難地域」は特に地理的条件などから放射線量の高いと見込まれる地域で、ひと月を目処とする計画的な避難が要請される。「緊急時避難準備区域」では状況の悪化などに応じて屋内退避や避難などの行動に移れるよう準備しておくことが要請される。