2011年4月11日月曜日

奇跡の一本松

読み方:きせきのいっぽんまつ

岩手県陸前高田市の高田松原において、東日本大震災に伴い発生した大規模な地震津波に耐え、1本だけ残った松の通称。

高田松原は松林の名所として知られ、約7万本の松が生い茂っていた。2011年3月11日、震災と共に発生した高さ10メートルを超える津波が高田の松原を襲い、松は根こそぎ津波にさらわれて壊滅した。その跡に1本だけ、奇跡的になぎ倒されずに残った松があった。震災発生後まもなく、この松が「奇跡の一本松」の呼び名で知られるようになった。

奇跡の一本松は、陸前高田市の震災復興のシンボルとして、ひいては東日本大震災の被災地域全体の復興のシンボルとして扱われることが少なくない。例えば財務省が2012年11月に募集した「個人向け復興応援国債」では、一定額以上の国債購入者に贈呈される金貨および銀貨の裏面に、奇跡の一本松と鳩が描かれている。

奇跡の一本松は海水による塩分過多で根腐れをおこし、立ち枯れてしまった。2012年9月、陸前高田市は奇跡の一本松が朽ちて倒れる前に伐採することを決め、樹皮の防腐処理や人工の枝葉による復元などが行われ、レプリカとして復元することにした。

奇跡の一本松のレプリカは2013年3月に6日に、震災のモニュメントとして、高田松原の元の場所へ設置された。

奇跡の一本松の復元にかかる工費は約1億5千万円とされている。陸前高田市は復元費用を寄附により捻出すると表明している。