2012年4月12日木曜日

ヒドラジン

英語:hydrazine

分子式N2H4、構造式H2N-NH2で表される無機化合物。刺激臭、引火性、および人体に対する強い毒性を持つ。

ヒドラジンは主に、ロケットの姿勢制御用の液体燃料として使用されている。小惑星探査機「はやぶさ」にも、姿勢制御用エンジンの燃料としてヒドラジンが積まれていた。ただし非常に毒性が強いため、地上から打ち上げるロケットの燃料などにはあまり使用されない。日本の「H2A」は液体燃料として液体水素と液体酸素を使用している。

2012年4月11日現在、北朝鮮が「人工衛星」と称する「事実上のミサイル」の発射準備を進めているが、発射に用いられる燃料がヒドラジンの化合物である「ジメチルヒドラジン」である可能性があると指摘されている。ジメチルヒドラジンは多量に吸引すると死ぬ危険性も高い劇物とされる。日本国内ではロケットが上空を通過すると見られる沖縄に、化学兵器に対応できる特殊部隊を派遣するなどの対策を講じている。

関連サイト:
ヒドラジン - 国際化学物質安全性カード