2013年1月24日木曜日

教員の駆け込み退職

読み方:きょういんのかけこみたいしょく
別名:教員の駆込み退職

教職員の退職手当を減額するという決定を受けて、減額後まもなく定年を迎える教員が退職金減額の実施前に自己都合退職を選択すること。2013年初頭に顕在化して問題視されている。

2012年11月に「国家公務員退職手当法」が改正された。この法改正は官民の格差是正を実現する政策の一環として実施されたもので、改正によって国家公務員の退職手当は15パーセント削減されることになる。政府は地方自治体に対して、地方公務員の退職金も同様に見直すよう通達した。これを受けて、多くの自治体が2012年度末の退職者から退職金削減を適用できるように条例改正を進めた。

退職金削減を実施する条例改正は、定年退職を迎える直前に施行される。すると、定年退職を迎えるよりも、条例改正前に自己都合退職してしまった方が、多くの退職金を受け取ることができるという状況が発生する。その差額は150万円から200万円に上るという。

読売新聞などによれば、2013年2月に改正条例を施行する埼玉県では、2013年1月22日までに100名を超える教員が駆け込み退職を申し出ており、うち30名が学級担任を務めているという。担任が2月までに自己都合退職した場合、卒業式に担任がいないという事態にもなりかねない。