2013年4月10日水曜日

集団的自衛権

読み方:しゅうだんてきじえいけん

自国と同盟関係、または協力関係にある国家が攻撃を受けた場合、それを自国への攻撃とみなして、共同で防衛のために武力行使をする権利。国家の国際法上の権利の一つで、国連憲章第7章第51条で規定されている。

国連憲章51条には、「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」と明記されている。

日本では、憲法第9条(戦争の放棄、戦力の不保持)との整合性が問題になり、様々な見解がある。防衛省は個別的自衛権は憲法9条の交戦権には当たらないとして、その行使が認められているが、集団的自衛権については、「わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然だが、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されない」との考えを示している。

2012年12月に発足した第二次安倍内閣では、集団的自衛権を容認する構えをみせており、憲法改正に向けた議論がなされている。2013年3月31日のウォールストリートジャーナルの記事によると、安倍政権による集団的自衛権の容認は、中国の台頭や朝鮮半島情勢の緊迫化などが背景にある。他方、韓国は日本の再軍備につながりかねないと警告している。

2013年4月9日のMSN産経ニュースの記事によると、アメリカのカーター国防副長官は、集団的自衛権行使の容認の姿勢をみせる安倍政権を評価し、「日本が国際社会に果たせる役割につながる」と述べた。アメリカは、東アジア地域で影響力を強める中国に対する牽制を意図しているという意見が多い。

関連サイト:
国連憲章 - 国際連合広報センター
集団的自衛権「制限緩和は建設的」 米国防副長官が歓迎 - MSN産経ニュース
日本で高まる軍事力強化論―北朝鮮情勢受け - THE WALL STREET JOURNAL.
憲法と自衛権 - 防衛省