2013年12月20日金曜日

アセタミプリド

別名:ACE
英語:acetamiprid

ネオニコチノイド系殺虫剤の一種。昆虫の体内でニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経の興奮を持続的に引き起こして死に至らしめるといわれている。日本では、1995年に農薬として登録され、日本曹達から「モスピラン」の商品名で販売されている。

アセタミプリドはヒトに対する急性毒性を持ち、自殺目的や誤飲による死亡例が知られているが、神経毒性、変異原性、発がん性などの慢性毒性は知られておらず、ミツバチやマルハナバチなどの益虫に対する毒性も少ないとされてきた。しかし、アセタミプリドは他のネオニコチノイド系殺虫剤と同様に、「蜂群崩壊症候群」と呼ばれる原因不明のミツバチの個体数減少に関係しているとする研究報告がある。

欧州連合(EU)は2013年2月に、ネオニコチノイド系殺虫剤の一部を使用禁止としたが、アセタミプリドはその中に含まれていなかった。欧州食品安全機関(EFSA)は2013年12月に、アセタミプリドが人間の発達中の神経系統、特に脳に悪影響を及ぼす危険があると勧告するとともに、EUに対してアセタミプリドの一日摂取許容量(ADI)および急性参照用量(ARfD)の基準値を引き下げることを提案した。

関連サイト:
Scientific Opinion on the developmental neurotoxicity potential of acetamiprid and imidacloprid - EFSA Journal