2014年1月16日木曜日

ATACS

読み方:アタックス
英語:Advanced Train Administration and Communications System

JR東日本(東日本旅客鉄道)が開発した、無線通信技術を利用した鉄道の信号保安システム。2011年春に、仙石線のあおば通~東塩釜間に初めて導入された。

ATACSは、列車に搭載された「車上装置」、メインコンピューターとなる「拠点装置」、踏切や転轍機などの地上設備を無線で接続することにより、各装置間での双方向通信を実現するシステムである。

鉄道の信号保安システムでは、衝突を防ぐために2本以上の列車が存在してはいけない「閉塞区間」が定められるが、ATACSでは、拠点装置が各列車の位置や速度の情報から制動距離を計算することにより、閉塞区間がリアルタイムで決定される。従来は、閉塞区間は信号機の位置などによって決まっており不定であったが、ATACSでは状況に応じて変化する(移動閉塞方式)。

ATACSを導入すると、信号や踏切警報機などの地上設備の一部や、列車側のATS(自動列車停止装置)、ATC(自動列車制御装置)などが不要となり、その維持管理に必要なコストを削減することができるとともに、システムの信頼性も従来より向上するとされている。

JR東日本は2014年1月現在、「首都圏輸送システムの変革」を掲げ、ATACSの首都圏路線への導入を検討している。2013年10月の発表によると、2017年秋に、埼京線の池袋~大宮間への導入が予定されている。

関連サイト:
埼京線への無線式列車制御システム(ATACS) - JR東日本